自身で可能な健康チェック

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乳房の自己触診

【方法】
乳房の自己触診法の要点は、
① 乳房の形はどうか
② 乳房にしこりはないか
③ 乳首から異常な分泌物が出ないか
④ 腋窩リンパ節の腫脹はないか
の4つです。これらを以下の順に診察してゆきますが、この際に月経との関係には注意する必要があります。個人差もありますが、月経前には乳房が硬くなったり圧痛が強くなったりする場合が多いので、できれば月経の終了を待ってから自己触診を行なうようにしましょう。 

乳房の形はどうか

鏡の前に立って、両腕の力を抜いて自然に下げたまま(図ア)、左右の乳房の形や大きさに変化がないか、乳房のどこかに皮膚のへこみやひきつれがないか、乳首がへこんだりただれができたりしていないか、を調べます。次に両腕を挙げた状態(図イ)で同じように、形・大きさの左右差、へこみ・ひきつれ・ただれの有無を調べます。

乳房にしこりはないか

次に仰向けに寝て、触診で乳房にしこりがないかをチェックします。左右の乳房を順番にチェックしてゆきますが、その際には触診する側の肩の下に高くない枕や折ったタオルを入れると効果的です。左の乳房をチェックする場合は、(図ウ)のように左手を頭の下に入れ、右手をまず左乳房の内側(乳首よりも内側)に乗せ、指の腹を胸の中央部に向かってすべらせるようにして、隈なくしこりの有無をチェックします(図エ)。次に同じ姿勢のままで左腕を自然な位置に下げ、今度は乳房の外側(乳首より外側)の部分を、外から内に向かって隈なく指をすべらせて、しこりの有無をチェックします(図オ)。こうして左乳房のチェックが済んだら、枕(あるいはタオル)を右肩の下に移動し、今度は左手を使って右乳房の診察を同じように行ないます。

乳首から異常な分泌物が出ないか

次に起き上がって坐位(もしくは立位)になり、左右の乳首を軽くつまんで乳をしぼるようにし、血液の混じった分泌物が出ないかどうかを確かめます(図カ)。

腋窩リンパ節の腫脹はないか

最後に、左右の腋窩(腋の下のことです)を逆側の手の指先で入念に触り、リンパ節腫脹がしこりとして触れないかをチェックします。


【意義】
女性で最も頻度の高い悪性腫瘍である乳癌の早期診断に、欠かすことのできない自己診察法です。乳癌のスクリーニングには乳房X線撮影(マンモグラフィー)や乳腺エコーが有効とされ、実際に乳癌検診で用いられていますが、乳房の自己触診はその前に必ず行なうべき検査です。乳癌の発症は4050歳代に最も多く、次いで60歳代・30歳代と続きますが、20歳代での発症も少なからず存在します。成人女性であれば、どの年齢でも起こり得る疾患ですので、20歳になったら月1回のペースで自己触診を行なってゆくようにしましょう。

乳房にしこりができる疾患として、乳癌(3060歳に好発し、単発性が多い)以外に、乳腺症(3050歳に好発し、両側性が多い)や線維腺腫(2035歳に好発し、単発性が多い)などがあります。これらの鑑別は専門的な医学知識や検査を必要とし、自己触診のレベルではもちろん鑑別はできませんが、まず大切なのは「乳房に異常がないか、変化がないか」を自らチェックし、しこりや異常分泌などの所見があれば、早めに受診することです。

乳癌は今後も増え続けると予想されている極めて頻度の高い悪性腫瘍であり、定期的な自己触診は「女性にとって最も重要な自己診察の一つ」と言うことができるでしょう。
 

脈拍(みゃくはく)のチェック

【方法】手首にある橈骨動脈(図)の上で、指3本(人差し指・中指・薬指)で触れます。時計で測りながら、1分間の脈拍数と脈のリズムを調べます。

脈拍数 ……… 成人では60~80回/分が正常です。この範囲を大きく外れる場合に、頻脈(ひんみゃく)もしくは徐脈(じょみゃく)と言われます。様々な点を考慮して医学的に判断する必要がありますが、頻脈では90100 /分以上徐脈では50/分以下の脈拍数が一つの目安になります。

リズム ……… 脈拍が一定の間隔で規則正しく触れるかどうかは極めて重要です。脈拍のリズムが一定であるか(整:regular)、そうでないか(不整:irregular)をチェックします。リズムは、一般には次の3つに分類されます。
 ① 一定のリズムを保っているもの(整)。
 ② リズムが全く不整であるもの。
 ③ 大体は一定のリズムを保っているが、たまに脈が飛ぶもの。

少し練習すれば、脈拍は容易に測定できるようになります。結果を自身で判断する必要はありませんが、何か異常があった時には脈拍をチェックし、これを医師に伝えることができるようになることをお勧めします。


【意義】簡単に調べられる「自己健診」の代表的なチェック方法であり、心臓の機能や様々な全身の体調を反映します。1分間あたりの脈拍数とリズムを調べますが、この情報を受診時に医師に伝えることができると、大いに役立つ場合があります。たとえば、時々しか起きない不整脈の診断では、動悸(胸がどきどきする)を感じている時の脈拍の情報が、診断にとって非常に重要になります(不整脈が治まってしまった後に病院で検査を受けても分からない場合がしばしばです)。

2018年9月に新たな予防医学センターとしてオープンし、10月からの受診者枠が増加しましたので、現在は予約が非常に取りやすくなっております。皆さまの健康維持のために、ぜひ、東大病院の人間ドックをご活用ください。

 

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